21
八月
2015
制作工程ご紹介。その②『台本』
私達がつくるものは映像作品です。
映像作品と言っても様々あります。
テレビドラマ・コマーシャル・プロモーションビデオ・企業紹介PV・ドキュメンタリー・
劇場用映画・アニメーション・3Dプロジェクションマッピングなど、
映像の使用用途は多岐に渡り、
その技術もフィルムからビデオテープ、映像データと日進月歩で進んでいます。
しかし、どんな映像ジャンルの作品をつくろうとも、絶対に欠かすことができないモノがあります。
それは、台本です。
弊社の制作過程において、この台本作成に一番力を入れていると言っても過言ではありません。
弊社の社史を語る上で、欠かすことができない2人の人物がいます。
一人は、弊社の前社長・ドキュメンタリー映画監督の原田進監督。
もう一人が撮影監督の手代木寿雄カメラマンです。
毎日放送の関連会社の撮影部長をされていた手代木さんの元に
若き原田進監督が入社され、それから原田監督は演出部に転身、独立、手代木さんと共に映像ヤマトを発足。
その後、ドキュメンタリー映画「日本音楽の生と死」で国際エミー賞授賞。
ドキュメンタリー映画「世阿弥」ベルリン国際批評家賞授賞など、
国内外で数々の賞を獲得してきました。
関西でも屈指のドキュメンタリー映画監督であった原田監督が、
私達映像ヤマトの全社員にいつも口にしていたことが、
「映像作品をつくっていくうえで、一番大切なものが台本!
ここでディレクターや監督をやる者、目指す者は絶対に台本の作り方は覚えてもらう!」でした。
そして私を含めすべての社員が、入社し監督が他界されるまで、
そのご指導を仰いで来ました。
起承転結・序破急・ドラマツルギー・ナレーションと映像の関係・構成表・
カットやシーンの時間(尺)・効果音や音楽・接続詞の使い方に至るまで。
演出上必要な要素は台本上で話が進みます。
10分の作品の台本についても、監督のご指導は2時間にも3時間にも及ぶことがありました。
テーマを決めて台本を書き、イメージ膨らませ撮影に臨む。
そして撮影した後、台本を再構成し編集に取りかかる。
必ず、制作演出していく上で絶対に必要な台本。
編集機材や撮影機材はどんどん変わっていきますが、映像制作の根幹をなす台本作成だけは、
原田監督の教えを守り、また皆自覚して、いまでも変わらず力を入れて全制作スタッフが作成しています。
手代木カメラマンのことは、追々お話しさせていただきます。
by石川貴視